古都メクネス

古都メクネス

モロッコ王国の中北部、首都・ラバトから東に130km離れたメクネス州に、1996年に世界遺産に登録された『古都メクネス』があります。
 
『古都メクネス』は1666年に、イスラム教国・アラウィー朝の都として築かれました。17世紀後半には、当時の王であったムーレイ・イスマイルにより大改築が進められました。ムーレイ・イスマイルは、ヨーロッパ諸国と国交を積極的に結び、特にフランスのルイ14世に感服。メクネスをモロッコのヴェルサイユにすべく、古い建物を壊し、都に次々とイスラム文化とヨーロッパ文化を融合した、イスパノ・モレスク様式の建築物を建造していきました。

有名な建造物がいくつかある中で、特に観光スポットとして多くの人が訪れているものがあります。ひとつは≪マンスール門≫です。『古都メクネス』の入り口の役割をしており、現地の言葉で「改宗者の勝利の門」という意味があります。エディム広場に面したとても大きな門で、馬蹄型のアーチがあり、周りを青や緑のモザイクや彫刻が施されています。この門は北アフリカで最も美しい門と言われているほどで、装飾が細かくきれいです。

そして『古都メクネス』を造った本人の廟である≪ムーレイ・イスマイル廟≫もここメクネスにあります。非イスラム教徒でも、イスマイルが実際眠っている部屋以外は入る事が出来ます。この廟の中にある「ミラハーブの間」では、天井から壁にかけて見事なモザイクとシックイ彫刻が華やかに施されており、イスラム文化最高傑作だと言われている程です。この「ミラハーブの間」の隣に、イスマイルが奥様と子供たちと共に眠る部屋があり、非イスラム教徒以外は入れませんが、外から見学は可能になっています。また、ここにはルイ14世から贈られた時計も一緒に保存されています。

その他にも、巨大な貯水池や30kmにもなる城壁、20年分も蓄えられるという穀物貯蔵庫や千頭分の馬の厩舎など、捕虜や囚人を使って建造していきました。

しかし、『古都メクネス』がモロッコのベルサイユとなる前にイスマイルは世を去ってしまいました。次の王であるイスマイルの息子は都を遷都した為、メクネスは次第に衰退していきます。

それでもなお、珍しいイスラム・ヨーロッパ文化の融合建築を数多く保存状態良好のまま残していることにより、世界遺産として今でも多くの観光客を魅了しています。

近くには、同じく世界遺産になった『ヴォルビリス遺跡』という古代ローマ都市の遺跡も残されており、一緒に観光する人が多いようです。